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お見舞い

希望の朝日

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ポストに不在配達票が入っていた。

二日前の日付け
知らない間に日本から何か届いたようだ。

母と電話で話をした。
「ああよかった、届いたのね。早く取りに行ってね」
その小包は郵便局に保管されているので
取りに行かなければならなかった。

スペインの郵便局は
(郵便局に関してはカタルーニャではなくスペインの括り)
平日は14時30分、
土曜日は13時30分にはもう閉まるので
郵便局に用事のある日は
朝から「郵便局、郵便局...」と気にかけていないと行きそびれてしまう。
翌日朝の散歩の後
さあ郵便局へ...と出かけようとしていたら
また母から電話「取りに行った?」
そしてこう言う「袋か何か持って行きなさいよ」
紐がかかっていれば片手でも大丈夫
え?紐かかってないの?
「私が梱包してないから、どうなってるかわからないのよ。
袋持って行ったほうがいいわよ」
何で母が梱包しなかったんだろう
伊勢丹の配送でも頼んだのかな
妙に急かすし、変なの...とは思いながらも
敢えて詮索することもなく家を出て
歩いて10分、ジロネイヤの小さな郵便局へ。

私宛の小包...




それは伊勢丹の箱ではなく
普通の段ボール箱だった。
差出人欄が目に入り
「!!」

和菓子工房 吉野

そういうことだったのか...
これで謎はサーッと解けた。
3kg少々の段ボール箱を片手で袋にさげて
再び家へ。


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さぞかし美味しいんだろうなあと
いつもブログをうっとり眺めては
食べた気になっていた吉野の和菓子が
今ここにあるなんて。

和菓子、おせんべいと
水色の封筒に丁寧にしたためられた
和菓子の師匠からの手紙
そこにはこうあった。

「さぞ、びっくりされたと思います(笑)」
ええ、びっくりしましたよ!
母が私に内緒で注文したのだ。
「お母様と吉野のブログ経由サプライズ企画ですね!(笑)」

こんなことってあるんだ
いつもは仕掛人の私が
自分の母親に仕掛けられたのだ。

(余談だが私は人を驚かせるのが大好き。
誰かの誕生日に突然ケーキを手に現われたり
あまり近くない友人宅へ留守時に出向いて
誕生日プレゼントをドアノブに引っ掛けてきたり
内緒で一時帰国して突然現われたり
などの前科あり。実は「人が悪い」のだ)

さて
憧れの和菓子が目の前にある。

すぐさまその包みを豪快にビリーッと破り
勢いよくアムッッと食らいつきたい思いと
いや、ダメダメそんな、もったいない!
と押さえる思いが交錯した私は
どうしてよいかわからずに
15分程床に座り込み呆然としていた。(バカ)

とりあえず全種類をいくつかずつ
フェランとモンセに、と取り分けた。
残りはどうしよう
貴重なものだから他の人にもお裾分け...
いや、でも一人占めしたいかも
とまたここで思いが交錯し動きが止まる。

母に電話をした。
電話をしたけれども
何を言ったらよいかわからなかった。
「ありがとう」でもないし
ぴったりと当てはまる言葉が存在しないのだ。
まあいいか
お礼は言葉ではなく、今後の私の人生で...
ってまた出世払いのツケが増えてしまった。

日本から届いた珍しいお菓子を
フェランとモンセも喜んで食べてくれた。
「甘さが違う、上品な甘さだね」と。
しっとりとソフトなどら焼き生地と
なめらかな口当たりの自家製餡は同じテクスチャー
その後芯のとろっとした求肥にたどりつくと
絶妙の一体感になる
「虎の舞」

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残りの和菓子は
やはり一人占めすることにしよう
何たってこれは
私への「お見舞い」なのだから!
by tomo114t | 2006-08-01 07:20 | 療養中
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