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土曜日のこと

パリから戻り、まだヴァカンスの私は
のんびり且つ充実した日々を送っている。
いつもの週末はレストランも満席で
忙しく走り回っているのが常なのに
今だけは私も世の中の人と同じように休み。ちょっとおかしな感覚だ。
過ぎたばかりの土曜日
1日に2つも「生まれて初めて」の出来事があった。

1つめは「ラジオ出演」。

地元の小さなラジオ局が毎週土曜日に流している
この地域に住む外国人をゲストに迎え
その人の母国の話やカタルーニャの生活についてなどを
インタビューする番組がある。
先日パリのフォションで朝食中に
私にその番組への出演依頼の電話がかかってきたのだ。
一体どんな展開になるのかは
当日行ってみるまで
そしてオンエアされるまで想像もつかなかった。

この番組の担当者ダヴィッドと
軽い軽い打ち合わせの後、心の準備の間もなく
1時間の生放送がスタートした。

まずは日本の話から
ダヴィッドはカタランで質問し私はカスティリャーノで答える。
私が住んでいたのは「サガミハラ」
多くの人が朝東京都心へ仕事に行き、夜寝に帰ってくるような街で...
そこから「満員電車」の話へ展開した。
そして「家」「家族」のことや
何事も「変化」が早いこと、「流行」のことなど
彼の思いつきで話はどんどん予期せぬ方向へ。

ここで音楽休憩。曲は小林明子の「恋におちて」。

次に私の話になった。
一体どういう経緯でこの地域へ来たのか?
この質問に答えるのには私もけっこう慣れているので
いつものように話した。イタリアに居たこと、
イタリアで知り合ったシェフの紹介でカタルーニャへ移ってきたこと...
日本人である私が「日本からバルセロナ」ではなく
「イタリアからダイレクトにサガス」ということが特に取り上げられた。
そして「この土地にどんな印象を持っている?」との質問。
ウーン...私はこう答えた。
「実際ここはとっても『田舎』。だけど、人々に田舎特有の閉鎖性がなく
皆オープンで外に目を向けていると思う。
だから田舎だけれども『自分は田舎に住んでいる』という気にならない」

再び音楽休憩。渡辺美里の「My Revolution」

最後に食の話を少々
皆が混同しやすい「日本料理と中華料理の違い」など。
さらに「テンプラ」とは?「スシ」とは?
何て話しているうちにタイムリミット。
最後に即答しなければいけないいくつかの質問事項に答え
番組は締めくくられる。
「カタルーニャから日本へ何かひとつ持っていきたいものは?」
−「ブティファラ!」
「カタルーニャの好きなものは?」
−「ウーン...パントマッカ(パンコントマテ)!」
今思えばちょっと間抜けな回答だった。

和太鼓のCDから1曲「諏訪太鼓」の調べとともに番組終了。
若いスタッフで運営される、ライブ感一杯の生放送
結構面白い経験だった。
自分で自分に言おう、お疲れさまでした!と。

その夜、2つめの出来事は...






ブログで知り合った人と対面をした。
(対面記念にリンクした。entre mi y faのsidoredoさん)
バルセロナからバスで、こんな小さな町へわざわざ来てくれた彼女
ユニークで素敵な友達がまた1人増えた。

イタリアで、カタルーニャで出会った
長期在住の日本人は
皆明るくて逞しくて
信じられないような大変なことを乗り越えてきている。
そして思う
いかに私が他人に頼って生きているか
いかに外国暮しの苦労が少ないかと。

彼女からバルセロナの話を聞いた。
同じカタルーニャでありながら
ましてやバルセロナはカタルーニャの首都でありながら
私が知るカタルーニャとはまるで違う。
住宅環境の悪さ、溢れる移民の問題、治安の悪さ。
カタランを話すことさえないらしい。
住めばいろいろあるものの、魅力的な街でもある。
まだ私が知らない隠れた名店や風情のある地区...

この日初めて会った人だなんてもう忘れていた。
ワインのボトルは空になってもお喋りは終わらず
夜は更ける...
土曜日のこと_e0083228_6341418.jpg

私を翌日13時まで眠らせた
彼女からのおみやげ
リベラ デル ドゥエロ
濃厚な桑の実のシロップのようで
後味はミキプルーンの香り
是非また飲みたいワインに出会えた。






翌日
ジロネイヤの町を散歩し
日曜日の唯一のバスに乗って
sidoredoさんは帰っていった。

Hasta pronto!

私のヴァカンスはまだ続く...
by tomo114t | 2006-01-16 05:39 |
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