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いざ山へ...

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約束の月曜日がやってきた。
(エルス カサルスは月火定休 夏は年中無休)
この日のキノコ狩り隊員は
オリオール、同僚の男の子ジョアン、私の3人。
曇り空で、少し肌寒い。
しかしオリオールは半袖のTシャツ一枚だけ。
生い茂った木の間を歩くと濡れるから
軽装がよいのだそうだ。
私の住むジロネイヤから隣の町ベルガへ、
ベルガから山道を登って行き
オリオールが知っているキノコ狩りスポット付近で車を停めた。

1人1つずつ篭を手に
さっそくスタート。

日本語的に表現するなら「山デビュー」?
キノコ狩りは今日が生まれて初めての私は
基本的なキノコの見つけ方を
オリオールから教わった。
あちこちに点在する背の低い木
小さくて厚みのある葉がたくさんついている
ボッシュという名前の木がある。
「キノコはこの木の下に群生することが多いんだ。
1つ見つけたらその周りも注意して探すんだよ」
ハイ、了解。頑張ります!

そう言われて探してみると
ときどきひょこっとキノコの姿が現れて
あったあった!見つかると楽しくなる。
しかし私には「食べられるキノコ」と「食べられないキノコ」の見分けがつかないので
手当たり次第採ってはみても
オリオールがチェックを入れると半分は却下される。
ああ、あの本屋で売ってたマニアックなキノコ図鑑
やっぱり必要かも...
とりあえず初めての今日は
「厨房で見たことがあるようなキノコ」を収穫対称としよう。

森の入口のなだらかな所から始めたのだが
「この辺は皆採りに来るところで
もうあまり残ってないから
僕達はもっと山の上へ登ろう」と
オリオールとジョアンは
どんどん上へ上へと山を登っていく。
さすがサガスの人は野性人というか
自然に対する姿勢が自然と身についているようだ。
私もそんな2人に遅れないように、と
軽く必死になってきた。
ひとり森で迷子になったら大変だ。
しかし次第に急斜面になってきて
思うように前へ進めない。
足掛かりのよさそうなところに足を置いてみて
滑らないようならそのまま足に力を入れて地を踏み
生い茂る木の枝に掴まりながら
(しかもその掴まる枝も丈夫でトゲのないものを選びながら)
進んでいった。
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気がつくともう2人の姿が見えなくなっていた。
息も上がって、暑い。耐えられずにセーターを脱いだ。
セーターを脱いだら日本ではババシャツと呼ばれるシャツだったけれど
そんなことを気にしてる場合ではなかったし
ここはカタルーニャだから問題ない。
何だかキノコ狩りというよりも立派な「登山」みたいだ。
すでにかなりの体力を消耗した気がするし
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こんなことならブティファラ(カタルーニャの
ソーセージ)30cmくらい食べて
スタミナをつけて臨むべきだったか。
しかしそんなグッタリ感は
キノコの頭を目にしたら
その瞬間にすべて掻き消された。
大切に1つずつ、篭に入れて
もうちょっと頑張れそう。
ときどきオリオールとジョアンが
「トモコー!」と
所在確認のために私を呼ぶ声がする。
Si---! (シーー!Yesの意味)
ココ、ココ、まだ生きてるよ。

あんなにやみくもに登ったのに
車を停めたスタート地点に再び戻ってこれるなんて。
そして何ともいえない清涼感がほとばしっている。
きっと私は体中の不純物を
全て山の上に捨ててきたのだろう。

最終結果は
オリオール篭一杯、ジョアン篭半分
私は篭3分の1(そのうちの半分は不可食)
さあ次は
皆の採ったキノコのお裾分け
持って帰って料理して
「キノコの狩人」のフィナーレとしよう。


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by tomo114t | 2005-10-22 07:52 | カタルーニャ
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