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羽を伸ばして...

有休消化の旅

イタリアから来た友人のソムリエMさんと
マドリッドで久しぶりに再会し
ワインの見本市へ。

予想以上に小規模で驚いたものの
(カタルーニャのワインはひとつもなかった!)
ガリシア地方の白やリベラ・デル・ドゥエロなど
興味深い地域を比較試飲することもできたし
それなりの収穫は得た。

ボス、オリオールが
マドリッドの友人と2人でセレクトしてくれたレストランで食事もして
見本市の後は街を散策するつもりでいた。

のだが

ここで予定を変更し
バスク地方のサンセバスティアンへ行くことにした。
食のフォーラムのために日本から来ているという
Mさんの叔父さんに会うために。
30年前にバスクで料理修業をした後
函館にバスク料理のレストランを開いたという人だ。

マドリッドからサンセバスティアンへひとっ飛び
雨の歓迎を受けた。

認めたくないが、実は私は雨女。
しかし後の飛行機で着いた
強烈な晴れ女Mさんのおかげで天気は回復し

その夜は叔父さんを囲み
在サンセバスティアンの日本人や
旅行中のスペイン大好きなグループなど
10人を超える日本人が集い、皆で夕食会。


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アンコウのソテー、アサリとパセリのソース
クラシックなバスク料理の店だった。

最後に一人一言自己紹介。
それぞれがそれぞれの思いを持って
スペインに関わっている。

その叔父さんは
少年のような、純粋な人で
食を楽しみ人生を楽しむバスクの気風を
日本へ、世界へ吹き込もうとしている。
話を聞きながら
私もそれに共感し、同じ気持ちで
カタルーニャから発信したい!
と強く思ったりして
心に残る夜となった。

バルのひしめくサンセバスティアン
人気の店はラッシュの地下鉄のような混雑ぶり。
バスク人に習って私たちも
バラエティ豊富なピンチョスを梯子で堪能した。

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「思い立ったが吉日」
なんて日本語もあるけれど
吉日どころか大吉日
思い立って来てよかった!

我ながら感心するくらい
大いに食べて飲んだ旅だった。
さあ次のヴァカンスまで
再びストイックに(?)働くとするか...


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by tomo114t | 2006-11-28 03:11 | 旅行

時は流れる

水曜日
お客も少ない穏やかな営業日

フランスの権威あるガイドブック
「ミシュラン」のガイドブックの採点マンが
突然やって来た。

初めてのことではないので
そんなに大騒ぎすることもないのだが
ミシュランは厨房からトイレから全部チェックするので
急いで作業テーブルの上や冷蔵庫の床を
ザザッと掃除したりして
私まで軽く慌てふためいてしまった。

イタリアで働いていた店にも
ある日突然やって来たことがあった。
そのときの人は覆面だった。
(といっても覆面を被っていたわけではない
素性を明かさなかった、という意味で)
注文したのはスパゲッティ一皿のみだったが
(といってもトマトソース、などではなく
スペルト小麦のスパゲッティにヒメジと乾燥トマトの何たら...
とそれなりに凝った一品ではあった)
なぜかそれを30分も待たせてしまった。
厨房にいたオーナーのマンマが
真っ赤な作業着を着ていたこともマイナスポイントで
残念ながら良い評価をされなかったようだった。

採点マンが帰ってしまった後
女性のオーナーは大泣きをした。
きっと私はそのときに初めて
ミシュランの星の眩さを目の当たりにしたのだ。

さて今回は
前菜を半量で2品と
メインにバカラオを食べ
ポストレは crema de llimona クレマ デ リモーナ
先日紹介したレモンのシブーストを注文した!
ここでまた慌てふためく私
シェフと2人で細心の注意を払って盛りつけて
テーブルへ送った。

大丈夫かなあとちょっと心配したが
ポストレも含めて
料理全て問題なく気に入ったようで
ホッとした。

次回は違う採点マンが宿泊を兼ねて来るそうで
評価が下されるのは5月頃。
泊まるのなら朝食もチェックされるのでは?
果たしてエルス カサルスに
ミシュランの星が付くのだろうか...

「朝食」は私が今密かに躍起になっているテーマ。
今週も慌ただしい中
ドーナツとブリオッシュの試作をした。
異なるレシピで何度か試して
納得のいくものを見つけたい。

パウンドケーキ


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ここではパウンドケーキのことを
plum cake プラムケーキと呼ぶ。
英語名だがここの発音で「プルムケイク」と言う。
プラムが入っていてもいなくても
パウンドケーキタイプの焼き菓子は全てプルムケイク。
以前はおかしいなあと思っていたのに
今ではすっかり私も「プルムケイク」と呼んでいる(笑)。


朝食の定番マドレーヌ


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「何ていい香りなんだ」とシェフに言われて
実は心の中でほくそ笑んでいた私
レモンの代りに
ライムの皮を多めに入れたのが
功を奏したようだ。

さあ
仕込めるだけ仕込んだし
心置きなく(?)旅に出るか!

明日から5日間
マドリッドへ行ってきます。
ワインの見本市が目的ですが
ついでに街も散策して
さらに有休も消化しようという企画。

旅が終われば11月も終わり
12月に入れば今年も終わり
恐ろしい早さで時は流れていく。
旅の支度もしてないし
呑気にブログ書いてる場合じゃないな...
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by tomo114t | 2006-11-20 05:38 | エルス カサルス

柿のこと

先週末もそれなりに忙しい営業で
結構疲れていたのと
来週また旅に出る予定があるので
今週の休みは休もうと決めた。

特に出かける用事を作らずに
久しぶりに朝寝坊などして
食べるものも体に優しく
卵とわかめを入れたうどんなど作ってみたり
のんびりと地味に過ごす休日もたまには良いものだ。

しかし休みの日のノルマ「洗濯」は逃れられない。
今日は意を決して
要手洗いで後回しにしていた洗濯物を
一気に退治してしまった。
しかし大量の洗濯の後には、大量のアイロン掛けも待っている。
フ−ッなんでいつもこんなに洗濯物が多いんだろう
もしかして私って2人いるのかも知れない...

久しぶりに近所のスーパーへ行った。
いつもいるおばさんは
私の腕が治っているのを見て
「私も嬉しいわ」と喜んでくれた。

そこで久しぶりに柿を買った。


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イタリアでもスペインでも柿は売っている。
しかも大抵の柿が
既に完熟のかなり柔らかい状態で。
まだ固い柿をパリッと食べるのが好きな人には辛い環境だが
超完熟をスプーンで掬って食べるのが好きな私には都合が良い。

柿は名前も日本名で「カキ」ではあるのだが
言語の違いで少々変化している。

イタリア語では
まずトマトを例に挙げてみると
イタリア語でトマトはポモド−ロ pomodoro
トマト1個ならポモド−ロだが
2個以上だとポモドーリ pomodori と変化する。

これをカキに置き換えてみよう
カキ cachi はiで終わるので複数形、2個以上の柿の場合だ。
では柿1個のときは? caco 「カコ」となる。
イタリアの八百屋で柿1個買うときは
「ウン カコ ぺル ファヴォーレ」
なんて言わなくてはいけないのだ。

スペイン語、カタルーニャ語では
複数形は英語のように終わりにsをつける。
なので柿1個ならカキ caqui でよいのだが
2個以上のときは caquis 「カキス」。
今日私は2個買ったので
この場合はカキスを買った、と表現すべきか。

スプーンで掬って食べて、満足。
渋柿って見ないけど、あるのかな...


カタルーニャの秋の空

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しかし冬はもうすぐそこに来ている。
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by tomo114t | 2006-11-15 07:18 | 食のこと

今日この頃

ある日の午後に行われたミーティングで
シェフに改めて言われたことがあった。

現在厨房のメンバーは5人
「この5人を3つのグループに分けよう」

グループ1に所属するのは、私1人(笑)。
仕事は全てのポストレ、ホテルの朝食

グループ2はジョアン、チャビ。
アぺリティーヴォ(食前酒のおつまみ)、プリメ−(primer 一皿目の料理、前菜)
グルマンデリア(食後の小菓子)を担当

最後のグループ3はシェフ オリオールと6月から入ったジョルディ
セゴン(segon 二皿目の料理 メインディッシュ)、パン

担当は変わらないが
グルマンデリアの仕事を外された。
食後の小菓子は定番のカルキニョ−リやチョコレートの類い。
多少の手間ではあるが好きな仕事でもある。
「何で?今まで通りに私がやるって」
しかしそこにはシェフの新しい考えがあった。

「いや、君は新しいポストレを含めた6つのポストレの入念な仕込みと
ホテル用のポストレでもう結構な仕事量のはずだ。
それに朝食のケーキ類を、これからは全て自家製にしたい。
ホテルの付加価値を上げるために、僕にはこっちのほうが大切なんだ」

今までは自家製のものと業者から購入したものと半々で出していたが
これからは全て私が作ることになった。
決して楽ではないが、それはとても嬉しいことだ。
基本的なアイテムは
クロワッサンとバターブレッド
マドレーヌ、パウンドケーキ、ブラウニ−。
アレンジも自由にできる。
工夫を凝らして、美味しいものを作って
皆の「幸せな朝食」を演出して
「全て私が作りました」と胸を張って言いたい。
どんなに忙しいときでも、ストックを切らしてなるものか!

3つの新しいポストレも始まったことだし
いわゆる「仕事モード」な今日この頃
そんなとき私は軽くストイックになるのが好きだ。
休憩時間も1人で延々と仕込みを続けたり
いろんなポストレの本を読んで研究して
翌日の自分の仕事を頭にイメージしてみたり

それが私には
「至福の時」だったりする。



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by tomo114t | 2006-11-13 08:06 |

ニューフェイス


つい最近
レストランのカルタ(メニュー)が大きく替わり
私の担当するポストレ(デザート)も
新しく3品登場となった。

新しいポストレがメニューに載るときは
仕込みはもちろんのこと
提供の仕方、保存の方法
全てに渡ってコツを掴むために
多少の勉強が必要だ。

3品の中のひとつ
レモンのシブーストは
レモンのクリームとイタリアンメレンゲで作る。
従って今回この「イタリアンメレンゲ」と
改めて真っ向から向き合うことになった。
自分の技術向上のためにも
メニューの入れ替えというのは大切だと
新しいポストレを作るたびに実感する。

苺のスープに森の果実を浮かべて
その上にシブースト
サラマンダーで表面をさっと焼き
レモンのシロップでツヤを出して完成


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口の中でシブーストはスッと溶け
一方果実はプチプチと弾ける。
盛りつけた印象も
優しくてナチュラルな感じで気に入っている。

二度目の仕込みは「前回よりも良い出来」とシェフに言ってもらえた。
これが「自分のポストレ」となるまで
要訓練!
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by tomo114t | 2006-11-07 05:19 | エルス カサルス

お知らせ


エルス カサルスが
初めて日本の雑誌に掲載されました。

11月6日発売の雑誌「料理王国」12月号で
スペインのピンチョス、タパス
フィンガーフードなどを紹介しているページです。
取材、文は私が担当しました。

興味のある方はぜひご覧になってください。

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by tomo114t | 2006-11-06 03:08 | お知らせ

11月1日


11月1日は、ヨーロッパでは祭日。
「諸聖人の祝日」といって
全ての聖人を祀る日、死者を弔う日。
カタルーニャではこの日に付き物のお菓子がある。

その名をpanelletという。
これもカタカナ表記の難しい発音のひとつ
「パナイェッ」と聞こえる。
この時季になると
どこの菓子屋、パン屋、スーパーでも
店先に並んでいるか
「panellet 注文承ります」の貼り紙を見かける。
評判の菓子屋のものも美味しいけれど
やはり自家製のpanelletが格別だ。

エルス カサルスでも勿論自家製
前日の夜にホテルの宿泊客に出したら
子供達が喜んで何度もおかわりを欲しがった。
肝心の祝日を前になくなってしまったらどうしよう
と実は心配していた私...

今年のpanelletは
私が生地を作り、シェフの奥さんマルタが成形、仕上げをした。
アーモンドの粉と同量の砂糖に卵白を加えて捏ねる。
丸めて松の実で覆ったり、キノコの形にしたりして
オーブンで短時間焼く。
アロマティックな洋酒の香りにも似た
アーモンドの焼ける香りが
厨房いっぱいに立ちこめて
鼻を惹き付けた。

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コロンと小さくて愛らしいpanelletだが
妙に後をひく美味しさなので
「食べるのがもったいない」なんて気にはならない。
やっぱり自家製が一番だ。美味しい!

このpanellet
日本の「お彼岸のおはぎ」のようなものなのかも...
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by tomo114t | 2006-11-02 03:26 | カタルーニャ