バスクバンザイ! 2

初めて訪れるsidreria シドレリア
リンゴ酒シドラを飲みながら食事ができる「シドラ酒場」

シドラは9月に仕込まれ、11月頃から飲める状態になる。
ボトル詰めで1年中売られているシドラもあるが
新鮮なものを樽から出して飲むのが本当のシドラで
美味しく飲めるのは3月頃まで。
従ってシドレリアはその期間だけの営業だ。






中に入るとすぐ脇に肉を焼く竈が目に入り
食事をする客席がある。
客席といっても椅子はなく
高めのテーブルにナイフフォークと長ーいバゲットがセットされていて

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その奥の階段5、6段下くらいの薄暗い半地下に
シドラが入っている大きな樽がズラッと40樽。
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この樽の栓を抜くと、シドラが細いループを描いてピューっと飛び出し
それをお客はグラスで受けとめる。
同じシドラでも樽によって熟成度合が違うからか微妙に味が変わる。
従って40樽あれば40種のシドラというわけだ。

さあ、私達もさっそくシドラをもらいに行こう!
とグラスを片手に樽の前の列に続いた。
既にシドラをグラスに満たしてテーブルに戻っていく人々とすれ違う。
目が合ったおじさんに、ブエノ?(bueno 美味しい?)と聞くと
勿論という顔でシーシー(Si,si はい)と応えた。
ダヴィッドが私に教えてくれた。
「グラスを低い位置で持って注いでもらうといいよ。
ワインと同じで、空気に触れることによって美味しくなるんだ」
そして私の番。白い泡を立ててグラスの中に落ちていくシドラ。
口に含むと、リンゴの皮を噛んだときのような爽やかな香り
発泡の加減も程良く、この上なくフレッシュな味わい。
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料理はテーブルの中央に大皿で置かれて
取皿もなく、皆でつつき合い
長ーいバゲットを皆でちぎって食べる。
シドラを手にテーブルへ戻ると、バカラオ(塩ダラ)のオムレツが置いてあった。
一見何の変哲も全くない、ごくごく普通なこのオムレツが
一生忘れられないくらい美味だなんて想像がつかなかった。
皆も驚いて「う、旨い!」と箸ならぬフォークが止まらない。
皆で同じものをつついているので、
遠慮なんてしていたらなくなってしまいそうな勢いだ。

あっという間にシドラも飲み干して
誰かが空のグラスでゴンゴン!とテーブルを叩く。
「さあ、もう一杯いくぞ!」と
酒を酌みに樽までの楽しい散歩。
これを何往復もするのだから椅子なんて要らないわけだ。
さっきすれ違ったおじさんが
今度は私に、Bueno?と声をかけてきて
私は勿論という顔で、Si,si! と応えた。
酌みに行く度に違う樽の栓が抜かれるので
これはさっきのよりちょっと苦い、とか飲み比べもまた楽しい。

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その後の料理は
塩ダラとピーマン、玉ねぎのソテーのオーブン焼き
ガリシア牛の炭火焼き
バスクのチーズ、イディアサバルと胡桃。
普段赤ワインと共に食べるようなものも
全てシドラと相性抜群であったのは
新しい発見だった。

そのうちどれが自分のフォークだか
どれが自分のグラスだかもわからなくなってくる。
そしてそんなことはもうどうでもよくなってさえきて
その辺にある空のグラスを掴んで
さあもう一杯!と樽へ向かう。
この無礼講さ加減がたまらなく良い。

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後からマルタに言われた。
シドラを酌む列に並んでいた私を
びっくりした顔で見ていたバスク人がいたそうだ。
そりゃそうだよなあ。

シドレリアも、バンザイ!!


さあ翌日は、待望のレストランへ...


つづく
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by tomo114t | 2006-03-10 07:46 | 旅行
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