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cap a Londres! ロンドンへ (1)

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何故私達がロンドンへ行くことになったのかというと

ロンドンのとあるホテルで
カタルーニャ州政府主催による
カタルーニャ観光促進のイベントが催された。
その中でも重要な項目となるガストロノミーの紹介とその後の食事
その依頼がオリオールに来たのだった。
日曜日の営業後に出発し、月曜日の夜にディナー、火曜日の夜に帰国という
2泊3日の海外出張だ。

通常の営業のための仕込みと平行して
ロンドンのための80人分の仕込みが始まった。
私が責任を持って準備しなければならないのは
一番始めに出す「飲むパンコントマテ」
それにポストレを2品「ジントニック」と
「乾果とチョコレートのテリーヌ コーヒーのジェラート」
全て80人分。

私達厨房のメンバーはいつも4人。
お客が1人であろうが200人であろうが、いつも4人でこなす。
従って私の頭の中はいつも自分の仕事の段取りのことで一杯だ。
限られた時間を最大限に有効に使い、必要なものを必要な時までに確実に用意するために。
さらにシェフが言う
「食後の小菓子もサービスするから
トリュフチョコレートとカルキニョ−リもロンドンへ持っていくぞ」
「ホテル用のポストレもいくつか用意しておけよ、満室だから」
いつもながら慌ただしい週末。

日曜日の昼の客も30人を超え
私が最後のポストレを出し終えたときにはもう午後5時を回っていた。
急いで荷物を積み、バタバタと出発した。

メンバーは
ボスオリオール、ジョアン、チャビ、ダヴィッド、私(つまり前回のレウスの面々)
それに近くの町ベルガのレストランのミケル マルケスという50代半ばのシェフ
彼はキノコ料理で名前の知られた人で、キノコ料理の本も出している。
オリオールと共に料理のプレゼンテーションをするため、同行することになった。

バルセロナの空港で
大きな黒い箱を積んだ怪しい一団。謎の東洋人もいるし、新手のマフィアか?
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80人分の食材、諸々の厨房道具で総重量は230kgを超え
オーバー料金800ユーロも請求されてしまった。

さあ、いざ、ロンドンへ!



着いてみたら...寒い!!

まずは会場となるホテルへ大荷物を置きに向かった。
それはウェストミンスター寺院にほど近い、4つ星クラスのホテルであった。
瀟洒な螺旋階段があったりして、クラシックな雰囲気だ。
その後私達が泊まるホテルへ。モダンで小洒落た感じの、こちらも素敵なホテル。
時計も遅らせて(時差1時間)、グッスリ寝た。

翌日はホテルの厨房の一角を使い早々に準備を開始した。
普段はサービスのダヴィッドまでコックコートでニンニクの皮剥き。
しかしこの厨房の広いこと!何度も道に迷ってしまった。

この日のメニューは

・3品盛りcap a Londres! ロンドンへ (1)_e0083228_103557.jpg
飲むパンコントマテと
ラングニサ(カタルーニャのサラミ)
カマグロック(キノコ)のソテーにハーブのソース
(これのみミケル マルケス作)
ロバイヨン(キノコ)の
マリネ




・キャベツのアンマスカラダ フレドリック(キノコ)のソテー、生ハム添え
(キャベツと黒ブティファラのミンチを太い棒状にして表面を焼いたもの)

・塩ダラのオーブン蒸し イャネガ(キノコ)、ニンニク、パセリを散らして

・肥育若鶏のロースト トリュフ風味 ブティファラ、小ネギ添え
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・ジントニック
(ジントニックのゼリーの中に青リンゴとウイキョウの角切り
ヨーグルトの泡を上にのせて

・乾果とチョコレートのテリーヌ コーヒーのジェラート添え
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カタルーニャの食をアピールするディナーに相応しく
土地のキノコをふんだんに使い
さらにドーバー海峡を渡ってきたカサ マイヤで育った食材
これらを堪能することで
カタルーニャ、そしてエルス カサルスのあるベルゲダ地方の空気を
肌で感じ取っていただけるであろう。


次回につづく。
by tomo114t | 2005-11-17 05:42 | エルス カサルス
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